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1000年の黒檜

8月11日 山の日、栗駒山での

「forever green project 夏のくりはら トレッキングツアー」無事終了しました。

今年で栗駒国定公園50周年を迎える記念のイベントの一つとして、

forever green projectと一緒に栗原の魅力を体験できるものにしたい。

昨年の星空観察に続いて何かないかしら、と思っていたところ

「やっぱり、千年クロべかなぁ。」と栗原市の方。

秋の紅葉、夏の世界谷地の湿原に咲き誇るニッコウキスゲなどは知っていましたが、千年クロべって聞いたことがない。

それは一体?と目をぱちくりさせていると、

おもむろに栗原市の方が写真をみせてくれました。

それは大樹でした。隆々とした太い幹。

森の上まで届きそうな位にそびえる枝葉。

樹種は黒ヒノキで、なんと、樹齢1000年はゆうに超えているといいます。

樹齢1000年といえば、かの有名な屋久杉の規模。

灯台下暗しとはまさにこのこと。

ぜひ、この千年クロべを見に行くツアーにしよう、ということで

ツアーの企画に取り掛かりました。

当日は、栗原市、栗駒山山岳指導隊、若柳警察署から沢山の援軍をいただき

大変心強かった一方で、forever green projectスタッフは初めての行程だったため、

ご案内不足でご迷惑をおかけしたこと、心苦しく思っています。

普段トレッキングし慣れていない方にとってはきつい道中だったと思います。

参加された方、どうぞゆっくり休養をとって頂きたいです。

往復6時間程歩く行程は、非常にバラエティに富んでおり、

朝の爽やかな風を感じながら木立を歩いたかと思えば、

ロープに捕まりながらの沢登りに急勾配の登り。

汗も相当かいたと思われる頃、千年クロべ入り口の看板が。

地震の前までは車でも通ることができた道を奥へ入っていくと、

明らかにこれまでの森とは違う大木が立ち並ぶ森へ。

「もう間も無くご対面ですよ。」

と山岳指導隊佐々木隊長の一声で入った森は、

明らかに空気がひんやりとしていて...

突如目に飛び込んできた大樹は、今までみた木のどれとも違っていました。

幹の存在感が凄いのです。

青々とした葉がきれいだな、葉っぱの形が美しいな、など

普段木を見るときはどちらかというと枝葉を見ていることが多い気がしますが、

幹自体がドクドクと波打っているような、簡単に人を寄せ付けないような気配。

そっと近づいて樹皮に触れると、それは長老の肌のようで、

ほとばしる生命力ではなく、これまでの歴史を背負って今を生き繋いでいるような

静かな息遣いのようなものを感じました。

佐々木隊長はじっと静かに木を観察して、

「この木はもう少しで倒れてしまうかもしれない」と言いました。

左側の枝の重みで幹の真ん中に亀裂が入って傾いているとのこと。

早急に保存の手当が必要な千年クロべ。

私たちにできることは、なるべくその根を踏まない、むやみに触らないこと。

地域の大切な資源を知り、的確に伝えていくこと。

forever green projectが伝えていきたい地域資源の魅力と保存の大切さを、

私自身、実感できるツアーとなりました。

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